芹沢達也の冷徹な美学が頂点に達する。彼が掲げる「味」と「商売」の二律背反を、本作は容赦なく切り裂いていく。かつての情熱を金に換える者、純粋な探求心で泥水を啜る者。ラーメンという極めて限定的な小宇宙の中に、現代日本の病巣と希望を全て詰め込んだ。読めば腹が鳴り、同時に心が抉られる。これは単なるグルメ漫画の枠を超えた、魂の削り合いを描く人間賛歌であり、同時に最も残酷なビジネス指南書だ。